S.U.K.I


たいして久しぶりでもないのに、久しぶりに見た真っ暗な空にはまばらに星が輝いて、不意に昔話を思い出していた。


『死んだら人は星になる』って、話。


ずっと信じれなかったけど、今なら信じれる気がして。


優なら一番輝いてるだろうなって考えて。


地面を見たら、なんだかあの部屋を思い出しそうで恐くて、上を見続けた。


でも、涙で視界が霞み、ぼやけてどれが一番輝いてるのかさえ分からない。



「優……聞こえるなら返事して?………煌…優が、どこにいるか……分からないよ…………優ぅ、優、優ー……!」



ひたすら一番星を探して泣いた。


帰ってきてほしくて、嘘だって、笑ってほしくて。



「返事してよぉお………!」



私の啜り泣く声が満点の星空に、響いていた。


冬に振り出した突然の霧雨にあてられながら天に瞬く星たちを仰ぐ。


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