S.U.K.I
淘は、自分が言った後は黙りっきりで、一言も喋らなかった。
お母さんも心兄も穹も、気付いてないのか誰もそんなこと言わなくて、結局私も言えずじまいのまま、家に着いていた。
沈黙を保ちながら、しんと静まった家の中で早々と風呂に入り部屋に閉じこもる。
風呂に入ったハズなのに、体が妙に冷たくて気持ち悪かった。
だからか、妙に布団が暖かく感じて掛け布団の上に横たわってただ時間が過ぎるのを感じながら、濡れた髪も気にしないでドアを見つめて横になっていた。
そしたら、開くハズのないドアが開いた。
電気のついてない廊下に私の部屋から洩れた光がドアを開けた相手を映した。
「淘…………?」
「今日………一緒に寝かしてくれない?」
沈んだどこを見てるか分からない目で私を見てた。