S.U.K.I


ただ、淘を見てちょっと安心したのは、昔からの癖で眠いときにやる、後ろの首を手で触ること。


いつもの淘だ、と少し今まで冷たかった体が暖かくなった気がした。



「いいよ……。」



起き上がりながら、そっと呟くと淘は、少し笑いながらゆっくりドアを閉めて、私の近くに腰を下ろした。


ベッドに背を向ける形で座る淘の背中がやけに細くなった気がしてちょっと寂しかった。


ベッドに腰をかける形にして少し高いけど淘の隣に座り直しながら淘の顔を覗き込んだ。



「淘から来るなんて、珍しいね?……大丈夫?」


「うん………大丈夫、煌もいるしさ。」



明らかな作り笑いで出来た笑い皺の近くに、涙の後がくっきりと見える。


みんながいないところでも泣いてたんだろうか。


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