S.U.K.I
私は、ずるずるとベッドから落ちて淘の横に姉さん座りした。
「淘、嘘、ついてるでしょ。」
「へ?嫌だな、煌に嘘つけるわけないぢゃん…」
淘は、顔を覗き込んでいる私から目を逸らすように反対側に顔を向けて袖を伸ばした腕に埋めていた。
言葉の語尾が擦れていたことも、気付いてないようだった。
「淘…………?辛いのは淘だけぢゃないけど、感じ方は人それぞれだから。辛い気持ちが大きいなら、煌と半分こしよ?」
小さくうずくまる形になった淘を優しく包み込むように抱き締める。
伝わってくる震えや暖かさから、辛くてどうしようもない気持ちと声を、押し殺して泣いてるのを体で感じた。
生まれ順なら、本来淘のほうが姉という形になるけど、それはただの取り上げられた順番なだけであって離れていたのはほんの数分だ。
お腹の中から一緒で、今もこうしてずっと一緒にいたからなんとなく、分かることだってある。
今、淘から離れちゃダメだ。