S.U.K.I


私だって、抜け駆けされて苦しくて、淘なんてって思ったけど、それでもやっぱり恨むなんてできなかったから。


抱き締めていた淘が抱き締め返してくれているのを感じて、私の心は少し暖かかった。



「明日早いし、今日は煌のベッドで久しぶりに添い寝してあげる。体冷えるし、もう寝よ?」


「ありがと………煌。」



月が空の上で暖かな布団に潜り込む私と淘を、照らしていた。





夢を……………見た。


小さい頃の夢……………


家の近くにある自然公園で4人で遊んでた。


私と淘と秀と優…………


小川のあるその公園で、優は、いくら呼んでも橋を渡ってこちらにはこない。


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