S.U.K.I
真冬で暖房すらついてない早朝。
それなのに、私は冷や汗を流し、目尻に涙を溜めていた。
荒い息遣いを整えながら横を見ると、淘がいなかった。
嫌な夢を見た跡に残る、不安感だけを残したベッドは、ひんやりとしていて私が起きるかなり前から淘がいなかったことを物語る。
「ゆ――……らぁ………!!」
乾燥してガラガラな声しか出ない喉を動かして、飛び起きると同時に叫んだ。
昨日の夜、離れちゃいけないって思ったのに……!と、自分を呪った。
とにかく、あの夢が本当にならないことを祈って淘の部屋に走った。
すぐ隣なハズなのに、遠く感じた。
「淘…………!!!」