S.U.K.I
沈みきった深い悲しみの瞳は、豊ちゃんと大河と千歳の3人という支えがなかったら今にも崩れてしまいそうだ。
3人がいるからこそ、父親の威厳が心兄を倒れさせまいと、くっつけているような感じがした。
「うん………分かった。」
「煌………ありがとな………。」
電気を付けてから、心兄は、優しく扉を閉めた。
私は、眩しさに少し目を細めながら胸の中に納まっている大河と千歳に目を向けた。
大河と千歳は、見上げるように、不安そうな瞳をこちらに向けている。
態勢を直そうと抱き直そうとしたら、離れるのを恐がるようにしがみついた。
「ねぇ、淘ちゃん、どうちちゃったの?」
「さっきから寝てばっかりなの。優くんみたいなの。お腹痛い痛いなの?」
大河と千歳の順番に喋ったあと、不思議そうな顔をした。