S.U.K.I
「ぢゃ、暖かい格好しておいで。そしたら3人でお外行こう?雪だるましよっか!」
「「さーんせー!!」」
扉を開けてやると、転がるように駆け出していった。
その小さな背中を見ながら私は、そっと壁にもたれた。
『ねぇ、淘ちゃん、どうちちゃったの?』
『さっきから寝てばっかりなの。優くんみたいなの。お腹痛い痛いなの?』
大河と千歳の無知な言葉が頭の中でリピートされる。
また心臓の奥がずきりと痛んで、壁に沿うようにずるずると座り込む。
何かが自分を締め付けるように、体の内側から次第に痛みがくる気がした。
自分の体を抱き締めて包み込むように両腕でしっかりと押さえた。