S.U.K.I


そんなことをぼんやり考えたりしていると、心兄が優しく襖を開けた。


薄暗いひんやりした廊下に、光が零れて筋を太くしながら私たちを照らした。


仏間には、ほぼ家族が集合していて、一見家族だんらんのようだったけど、あの陽気な爺ちゃんを押し黙らせるほど、悲しい空気で埋まっていた。


布団にまるで、寝てるように横たわった淘の隣にお母さんが小さくうずくまっていて、その近くに大河と千歳もいた。


きゃらきゃらと楽しそうに話しかけているところを見ると、心臓を削られる思いだった。


豊ちゃんの姿はなくて、婆ちゃんは、襖を開けたのになかなか入ってこない私を心配そうに見つめていた。



「煌。」



心兄が優しく後ろから呼んだ。


振り向くと、きっと精一杯の笑顔であろう表情で私に微笑みかけていた。



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