S.U.K.I
「嫌だぁ…………―!」
涙が零れ落ちていく。
心兄に寄りかかるように抱きつくと心兄は、優しく抱き締めてくれた。
暖かい、胸の中で目を閉じると、走馬灯のように淘の顔が浮かぶ。
その中の淘は、すべてが輝くような笑顔ばかりだった。
「煌……別に、淘は、いなくなっちゃいないだろ?」
「……え?」
突然、心兄にそう言われて、顔を上げると優しく微笑みながら涙を流していた。
「だって、今まで淘と一緒にいた思い出があるぢゃんか。その中で淘は、生きてるだろ?」
私は、さっき浮かんだ淘の笑顔を思い出しながら頷いた。