S.U.K.I



『ぢゃあ、心と穹は?』


『うらにぃが赤色でそらは青色かなぁ?』



首を傾げた私に父は、微笑んで、言った。



『自分が思った色でいいんだよ。アタリハズレはないんだから。』



その時私は、ただ純粋に父にそう聞き返していた。



『どうして、お父さんはそんなこと聞くの?』


『煌がそうやって人に色を付けられるってことはその人を見れてるってことなんだよ。』



きっとあの頃の私は幼すぎた。


今だったら簡単に理解できることを理解できなかったんだから。



『?…だから?』


『その人を見れてるってことは、その人のいいところを見れるってことなんだよ。』



そう言って父はまた笑った。


それはそれは、綺麗な笑顔で。



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