S.U.K.I
秀も苦しそうに涙を流してコンクリートのタイルを殴っていた手で顔を覆い隠すようにして拭った。
「だって、どんなに理解出来たって…どんなに分かってあげれたって…淘も優もいないから………離れたくなくたって、離れなくちゃ………いけないぢゃん……。」
私は、声を上げて泣いた。
何年かぶりに、子供のように声を上げて、泣いた。
「だから、死ぬなんて悲しいこと……言わないで!煌…ずっと秀と一緒にいる……!何があっても離れないから………離れないから……だから離れていかないで……!!」
最後は、声が擦れて消えるようだったけど、すべて言葉にして秀にぶつけた。
死ぬほど伝えたかった思いは、涙と一緒に秀に落ちていった。
淘のことも、優のことも、もちろん、秀のことだって、全部が混ざって、たくさんの気持ちが押し寄せるように涙が頬を伝い落ちた。
12月の寒空の下、広い屋上の上で二人、泣いた。
淘の葬式の時に見たあの、死にたくなるような透き通る青空には、程遠かったけど涙を通して見た少しぼやけた水色は、負けず劣らず綺麗だった。