S.U.K.I
あの空の向こう側で淘も、優も、お父さんも、秀のお父さんも、笑っているかなって、考えた。
そのまんまを秀に話したら、バカぢゃないのって笑われた。
でもそのあとで、二人、ベンチに座り直して空を見てたら秀が優しく私の掌をなぞる。
『そうかもしんない。』
だってさ。
私は、微笑んでまた視線を空に戻した。
空は、私たちの気持ちを代弁してるみたいに晴れ晴れと広がっていた。
吸い込まれそうな、広い空。
そんな景色を見すぎたのか、いつのまにか時間はだいぶ経っていたようで……。