S.U.K.I


ゆっくりと体を放すと、二人とも暖かい、というよりも恥ずかしさか何かでどうかなってしまいそうなくらい体全体が火照っていた。


秀は、相変わらずこっちを見ないまま真っ赤の顔を下に向けてページをめくってまた新しく何かを書き始めた。


少しうつむきながら私側にノートを滑らせた。


私も真っ赤な顔を隠すように前に手をやりながらそのノートを引き寄せた。



『あと、2日してギプスが取れて4週間してリハビリ終わったら海に行こう。』



そこまで読んだあと、嫌な予感を感じた。


その先を読んでその予感は、確信へと変わった。



『……8年前のあの海に。』



私は、顔が真っ赤とか、秀の顔が見れないとかそんなの関係なしに顔を上げて真っ直ぐに秀を見て、首を振った。


秀は、少し寂しそうに笑ってまた新しく書き足した。



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