S.U.K.I
「泣きたいときくらい泣けば?」
「なっ、泣きたくなんかないし!バカぢゃない?」
私は、そう言ってもう一口コロッケを頬張る。
いつもはおいしいはずの、絶品コロッケがうまく喉を通らなくて、しかも、いつもより塩っぱい気がした。
「ま、強がってる煌が可愛くないわけぢゃないんだけど…」
「?!からかうなー!」
さっきまで絶望のどん底にいた私は、秀の魔法の言葉で復活する。
まるで、どっかのゲームに出てくる怪物みたいに。
「さっきまでの小動物みたいな煌は、どこいったんだよ?!」
「こっちが素だし!バカは困るよね、騙されやすくってー!」
私は、残っていたコロッケを口に放り込むと皮肉のように秀をからかう。