S.U.K.I


婆ちゃんの頭の上で、上を向いて泣いた。


涙が零れないように、上を向いたハズなのに、だらだらと零れていく。


優しく撫でられている暖かい背中がしんみりと染みて。


また、泣けた。



「煌ちゃん、落ち着くまで部屋で休みんしゃい…。それまで世話は私が焼いてやるから。……ゆっくり、ゆっくり、休みんしゃい。」



しゃくり上げながら、聞いた。


婆ちゃんの優しい言葉。


涙が頬を濡らし、落ちていく中で私は、やっと落ち着きを取り戻そうとしていた。



< 228 / 316 >

この作品をシェア

pagetop