S.U.K.I
「お前!俺が慢ってやったのに、なんだその言い方!コロッケと俺に謝れ!」
「ごめんね…コロッケ。」
「しかも結局、俺には謝んねーし!許さねー!」
満腹屋を出て、雪空の下に飛び出すと綺麗な雪が私の体に降り積もる。
ひんやりした空気を体にしみ込ませて、町の外れ側にある家まで続く坂を一気に駆け上がる。
顔を掠める冷たい空気が、私のあとを追ってだんだん加速してゆく。
「ちょっ、待てっつの!」
でも、なんでか。
生涯女は、男に勝てないような気がする。
先に坂を上がり始めたのにあっさりと秀に追い付かれてしまう。