S.U.K.I



涙がすぅっと、頬を滑り落ちて、睫毛に引っかかって光ったのが見えた。


大人になったら……


……本当に楽になれるのかな…?



『――………らぁ………ら…………き…………ら………………!」



遠く向こうから、聞き慣れた声が聞こえる。


この声は……誰なんだろう?


秀……………だったらいいな。



そっと目を開いていくと、眩しい光が飛び込んでくる。


………?


誰かが来て開けたのか、優しく光が、部屋中に降り注いでいた。



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