S.U.K.I
「あ、起きた!」
案外近くで声を聞く。
声のする方を辿るように顔を向けると、目にいっぱい涙を貯めた還梨が立っていた。
「バカっ!どんだけ心配したと思ってんの!本当に…バカ……!」
そう言い終わるか終わらないかのうちに還梨は、覆い被さるように抱きついてきた。
「…かった……よかった……!」
優しく諭すようにこの何日かの出来事を教えてくれた。
まずは、私が栄養失調や睡眠不足やなんやかんやで倒れて病院に運ばれたこと。
還梨が死ぬほど心配して、親戚の家に行っていた中ちゃんも心配してすぐにとんぼ帰りしてくれたこと。
私が引き籠もっている間にも実はこっそり家に来ていたこと。