S.U.K.I


ゆっくりとしたペースで家までの道を歩きながら、そんな話をした。


還梨のおかげもあって、あんまり優や淘のことを考えずに済んだ。


2週間近く外に出てないこともあり、帰る途中に降った雪が嬉しくてうずうずした。


還梨は、わざわざ私を気にして遠回りまでして私を家まで送ってくれた。



「ただいま…。」



しんとした、玄関に私が靴を脱ぐ音だけが響く。


台所から出てきた婆ちゃんと目が合った。



「煌ちゃん!もう大丈夫…―」



優しく笑いながら歩み寄る婆ちゃん。


私も少し笑って、家に入った。


その、瞬間だった。



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