S.U.K.I
居間の襖がすごい音を立てて開き中から出てきたお母さんが婆ちゃんの目の前に立ちふさがる。
「お母さん、ただい…―」
言いかけた言葉が途中で途切れ、まだ傷の残る頬に激痛が走る。
「…っ……痛………!!」
あまりの衝撃に尻餅をつき、しゃがみこんだ体勢から怒った母の顔を見上げた。
「…っ親にこんな心配かけて!!あんたは何考えてんのょ!」
私は、申し訳なさと恐怖とで何も言えなかった。
お母さんの、振り上げられた手を見て更に動けなくなる。
また、殴られるんだ…―。
確信して、私は、目を閉じた。