S.U.K.I


なんで、言葉が出たか分からないけどいつの間にかそう言っていた。


驚きの目を向ける心兄とお母さんそれから婆ちゃんに私は、しどろもどろになりながらも言い続けた。



「心兄だけがみんなの分を背負い込むこともないだろうし、お母さんが我慢しなすぎるのも、婆ちゃんが気をつかいすぎるのも全部が全部、その人一人一人が悪いんぢゃないと思う。」


「ぢゃあ………誰が悪いの?」



私が勢い良く喋って、息をつくとお母さんがゆっくりと聞き返した。


私は、少し考えてお母さんの目を見た。



「誰も悪くないと思うよ。」



お母さんの右目から涙が一雫流れた。



「悪いとか悪くないとかそーゆー話ぢゃないと思う。みんな一人一人が……何かを抱えてるのは普通なことだし………。」



自分が何を言いたかったのか、そのすべてが分からなくなって最後の方は泣きながら喋っていた。



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