S.U.K.I
再会とキス


「あら、……………秀ちゃん。」



狐につままれたように、ぽかん、と顔を上げた婆ちゃんに私は、ばっと顔を上げ、振り向いた。


涙が、出た。


流そうとなんて、意志は全然ないのに、その姿を見た瞬間にぼろぼろと零れた。



「……しゅ…うっ…………!!」



私は、そう呼びかけて、口を押さえ涙を零し、飛び付いた。


わけの分からなそうな秀。


治りきらない傷に被さったガーゼも、所々にある小さな擦り傷も、左肩からずり落ちたリュックも、両側に携えた松葉杖も。


全部が、秀だ。


全部が全部、秀だった。



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