S.U.K.I
『
約束だからな……。
海行くぞ。』
書かれた『海』が震えてた。
私は、力強く抱き締める秀に答えるかのようにしっかりと、広い胸板にしがみついた。
二人の間にある暖かいぬくもりが優しかった。
寒空の下、再会を喜んだあと家に戻った。
まず始めに家に帰ってされたのは家族全員からの冷やかしだった。
もともと、明るい家庭だったのもあるけど、淘が死んぢゃって、いなくなって、あんな空気がなくなっていた。
少しだけ、そんな空気が戻ってきた気がした。
特に、穹が。
「煌姉〜、見せつけやがって!!秀兄、嬉しそうだったな。ね?」
風呂上がりの少し濡れた頭を揺らして、久しぶりに笑っていた。