S.U.K.I



「痛っ〜…!」


「お前、相変わらずだな!煌にちょっかい出すなっつったろ?!」


「ふざけんなよ、豊!まぢいてぇ…手加減を覚えろ、バーカ!」


「はっ…はぁ…豊ちゃん…お久しぶりです…。」



私は、顔を綻ばせながら挨拶した。



「いやっ!煌〜♪まぢお久だぁねぇ!!大好き♪」


「くっ…苦しい。苦しいよ…豊ちゃ……。」



豊ちゃんは、秀の一番上のお姉さん。


最近までずっと留学…というか、アメリカにお仕事に行っていたのです♪



「豊、荷物おろせ。俺お前のまで手が回んねぇ。」



あれ、この声……。


私がゆっくり振り向くと、後ろには待ちわびた人がいた。



「うーらーにーぃ!!!」


「わっ、煌?!!」



私が飛び付いた相手…それは大好きな実の兄、心。


心、で、うら、と読む。


心の豊かな人になってほしいってお母さんとお父さんが選びぬいた名前。


私は、その名前ごと好き。恋愛感情ではないけど私はうちの家族の中で誰よりもお兄ちゃん子だと思う。



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