S.U.K.I
「これ……家のお母さんが。」
私は、照れ隠しに風呂敷の包みを押しつけた。
秀は、不思議そうに受け取りながら、ありがと、と笑った。
「秀ーっ!誰が来たのー?!」
ばたばたばた……と、大きな音を出して幸さんが降りてくるのと同時にでかい声が聞こえてきた。
秀は、明らかに嫌そうな顔をして小さな紙に走り書きして手渡した。
私の握りこぶしにその紙を押し込んで、人差し指を口に押し当てて、内緒、と笑うと階段に向かっていく。
すれ違いに幸さんに風呂敷の包みを渡して2階に上がっていった。
幸さんは、首を傾げたが、私を見るなり満面の笑み。
私も嬉しくなるくらい。