S.U.K.I
手と手繋いで


家に着いてからは、なんだかそわそわして、全然部屋掃除なんて進まなかった。


上の空のまま、秀からのメールを待っていた。


そんな自分が少し嫌で、気を取り直すために部屋掃除をやることにした。


冷たい風を部屋に取り込んで空気の入れ替えをしたら、気持ち良くなった。


全部が片付いた頃、日は暮れて、すでに5時を回っていた。


暖かいココアを飲みながらほっと一息。


窓から差し込む夕暮れの光の中、青い光が光ったのを私は、見逃さなかった。


携帯だ。


携帯の、未読メールあり、のサイン。


どこか期待する自分と、その期待を否定してる自分がいた。



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