S.U.K.I


携帯を開け、メールを開く。


そこには期待を裏切らないメールが届いていて、つい顔が緩む。



《FROM:秀
 Subject:Re:

 明日の海行き
 今日の夜に変更。

 最終の電車に乗って
 行くぞ!
 迎えに行くから。 》



秀らしい文の中にある優しさが、愛しい。


あの海に行くのは怖い。


だけど……秀と一緒なら。


行ける気がした。



「…お母さん。」


「ん?なぁに、今日の晩ご飯はね煌の好きな鰺の開きだよ。」



楽しげな台所でリズミカルに大根やねぎやいろんなものを刻んでいくのを見ながら、私は、お母さんに話しかける。



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