S.U.K.I
きっと、婆ちゃんが綺麗にしてくれていたんだろう。
まだ、49日を迎えていない小さくなった淘が、眩しい笑顔の遺影と一緒に机の上に座っている。
鼻がつんとして、涙が出そうだったけどゆっくりと机に近づいた。
「……明日、海に行くよ。あの、前行った海。秀と……一緒に。」
反応のない淘と、見つめあう。
《…気をつけてね。――》
そう、聞こえた気がした。
目に溜まった涙を腕で拭く。
拭いて、乾いた場所にまた、涙が落ちていく。
2分か3分、じっと立って、静かに泣いた。
そのあと、ぎゅっと目を閉じて、涙を拭いて、振り向かずに部屋を出た。
私は…、ちゃんと帰ってくる。
秀と………一緒に。