S.U.K.I


久しぶりに至近距離に秀がいて、ノートに文字を書いたり私に触れている、と思うだけで顔が火照る。



『終点まで乗るんだし
時間あるから寝ろよ。
俺の肩、枕にしても
いいし。』



とノートを見せて、無邪気に笑いながら、とんとん、と自分の肩を叩いてみせた。


なんだか、あんまり愛しくてよく分からないけど、すごく近くに行きたくて、知らない間に私から、少し触れる程度のキスをしていた。


自分でした癖に、妙に恥ずかしくて、顔を背けた。


しばらくしても、何もリアクションのないことが気になって、ゆっくり顔を戻すと、真っ赤な顔をした秀がうつむいていた。



「秀?なんだか、顔赤いけど。」



恥ずかしながらそう聞くと、下におっこちていたノートを急いで拾って走り書きした。



『こっち見んなバカ!
俺は、寝る。
お前もさっさと寝ろ!』



と、雑な字が踊っていた。



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