S.U.K.I



「日本はさみーなぁ……。煌、秀!お汁粉できてるらしいから中入んな!」



心兄が優しく言う。


私は……


その言葉を聞くと同時に、ダッシュした。



「だってよ、煌…って、あれ?豊、煌は?」


「は?もう家ん中だし!」


「…は?足はえーんぢゃんか。」



もう秀が呼び掛けた頃には家の中でお汁粉を啜っていた。



「あ〜♪まぢヤバいって!お母さん最高♪」


「あんた、本当に色気より食い気って感じよね?どーせまた、真子ちゃんとこでコロッケ食べてきたんでしょう?」



真子ちゃんというのは、お母さんと同級生の人で満腹屋の看板娘だ。



「だって、あこのコロッケは、バカにできないよ。」



私は、また一口お汁粉を啜り鼻を鳴らして言う。


お母さんのため息を聞きながらおかわりを頼むと、玄関からでかい声がした。



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