S.U.K.I


突然、そんなこと言われても分からない。


私の筋金入りのバカをバカにされているみたいですごく嫌だった。


すると秀は、迷わずに砂を払い、字を消し始めた。



『これで分かった?』



私は、それを見て、やっと納得した。


やっぱり、運命だったのかと。



『S .U   .K  .I  』



好き、なんていまさら分かり切ったことが妙に愛しい。


愛しくて、愛しすぎて涙が出てくるなんて、私はおかしいのかなって、心配になる。



『な、運命でしょ。』



優しく笑う秀に真っ赤になった顔を隠すのが恥ずかしい。



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