S.U.K.I


初夏の暑さが、新の額に汗の雫を作っていた。


私は、汗で張りついた前髪をとってあげて、汗を拭く。


反対側で秀がタオルケットをかけ直し、私に微笑んでくれる。


微笑み返すと、向こう側の秀が身を乗り出して優しくキスをする。


最近滅多にないからか顔が熱くなって背けた。



『そんなに嬉しかった?
最近さらばっかだったもんね?』



お絵描きする子供みたいにノートに声を書く。


そんなやりとりが続いたあと、秀も寝てしまった。


爽やかな夏の香りと一緒に一瞬の風が吹いた。



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