S.U.K.I



「母さん久しぶり。これ、あっちの土産。しばらくここにいるからよろしく。」


「はいはい。婆ちゃんとかゆったら許さないけどね?でもー…、千歳と大河は、大きくなったね。お汁粉、出すから上がりな。豊ちゃん!」


「はい!」



豊ちゃんは、姑の貫禄を見せたお母さんに背筋を伸ばす。



「あんたも食ってきな。好きだったでしょ?あたしのお汁粉。ついでに女は、体冷やしちゃダメよ。」


「わぁい♪頂いてきます!ほら、ちーもたーも挨拶しなさい。」


「こんばんわー!」
「こんに、ちわ…?あれ、たーくん『こんにちわ』だしょ?」



小さな掌で大河の腕を千歳が揺する。



「もーっ、寒いから上がっちゃいなさい!」



お母さんが目尻を垂らしながら大河と千歳の頭を撫でた。



< 34 / 316 >

この作品をシェア

pagetop