S.U.K.I



「…マスカラ、塗ってないしィ。」



私が不快そうに言うと、中ちゃんはいかにも驚いた顔をして叫ぶ。



「え、嘘!…す、すすす、すっぴん?!!!」


「うん、普通だよ?」



素っ頓狂な声をあげた中ちゃんに私は、思う。


中ちゃん……


今…、何回《す》って言った?



「あはっ、煌を初めて見た時なんかうち死にそーだったもん!まさに、初めてのお化粧?って感じ。」


「ちょっ、そんな昔の話しないで!!」



楽しそうに笑う還梨を押さえて中ちゃんに何もない、と首を振った。


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