S.U.K.I
でも、もう遅い。
真実を知られた今、あっけらかんと嘘を突き通すほうがどんなに辛いことか。
そう考えただけで、背中に悪寒が走り、顔が青ざめ、ついには冷や汗が流れる。
「えーっ?!怪しいし!!超ー知りたいんですけど?煌さん《初めてのお化粧》ってどんなでしたぁ?」
インタビューをするアナウンサーのように中ちゃんがあどけない顔で笑いながらマイクを差し出す。
これはもう、拷問としか言いようのないことで、中ちゃんの薄い黒の瞳が私を見下し、洗い浚い話させるように目を向けてきた。
「…びゅ、ビューラーで瞼の肉挟みながら頑張って、マスカラごってり塗っただけ…!もう昔の話はこりごりだからね…!!」
私は、それだけ言ってぷいと、そっぽを向いた。
にやにやする中ちゃんの顔がそっぽを向く私の横目に映る。
髪を掻き上げるように頭を抑える。