S.U.K.I



「ぃや〜♪本当にあれは、マズかったね!」



還梨がおもしろそうに笑って意地悪く言う。


さっきまで持っていたカラオケ用のマイクをテーブルに置きながら。


そうだった。


もう駅前のカラオケ屋だったことを忘れてた、なんて思いながら。



「あーっ、惜しい!あたしもA組ならよかったのに。そしたら煌のひどい顔、見れたのにな〜♪」



さっきまで私の話に聞き入っていた中ちゃんは、マイクを握り、曲を入れながらにやりと笑う。



「いーよぉ、あんなの。」


『あんなのだから、見たかったんぢゃん!』



中ちゃんは、むきになってマイクごしに叫んだ。


頭にキィーン、と機械音が響いて耳が痺れそうなほどの爆音が聞こえた。



< 47 / 316 >

この作品をシェア

pagetop