S.U.K.I
「ぃや〜♪本当にあれは、マズかったね!」
還梨がおもしろそうに笑って意地悪く言う。
さっきまで持っていたカラオケ用のマイクをテーブルに置きながら。
そうだった。
もう駅前のカラオケ屋だったことを忘れてた、なんて思いながら。
「あーっ、惜しい!あたしもA組ならよかったのに。そしたら煌のひどい顔、見れたのにな〜♪」
さっきまで私の話に聞き入っていた中ちゃんは、マイクを握り、曲を入れながらにやりと笑う。
「いーよぉ、あんなの。」
『あんなのだから、見たかったんぢゃん!』
中ちゃんは、むきになってマイクごしに叫んだ。
頭にキィーン、と機械音が響いて耳が痺れそうなほどの爆音が聞こえた。