S.U.K.I



軋む木造の家の中で私は、大声で淘を呼ぶ。



「ゆぅーらぁー!また遅刻なんですけど!!」


「ごーめん!先行ってて、煌!」



淘は、慌ててお弁当を持ってきたお母さんの後ろで私に返事を返す。


そして慌てながらマフラーを首にかけ、玄関に突っ込む。



「淘、鞄持ってない!」


「ふぇ?ぁああー!!」



淘は、両手を見て大絶叫しながら2階に駆け上がる。



「もうっ!!」


「…煌、あんたにだって、こーゆーことあんでしょ?許してやんな、ね?」



だんだん苛々してきた私にお母さんは、片手で髪の毛を耳にかけもう片手をエプロンで拭きながら言う。



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