S.U.K.I
夜明けの幻
「なんか…静かだな…?」
「しーっ!!今やっと寝せたんだから静かにして!」
現在時刻、10時27分…―
千歳と大河は、散々遊んだ挙げ句電池が切れたかのように、パタリと寝た。
淘と優は、とっくに疲れ果てて寝ていて、久しぶりに揃った両家族は酔い潰れていた。
お酒の飲めない婆ちゃんすらもう寝ている、そんな時間帯だった。
「てか、寝てて良かったのに。」
「なんか、目が覚めたんだよ。別に起きたかったわけぢゃねーっつの!」
不意に起きてきた秀に憎まれ口を叩きながら、私は、お母さんと幸さん《梅沢家の頼りになる母》に、優しく毛布をかけてあげた。
心兄と豊ちゃんは、仲睦まじく、寄り添って寝ていた。