S.U.K.I
二人にも毛布をかけてあげたあとふと、振り返ると秀が千歳と大河を優しく撫でていた。
「……どーしたの?どーいう風の吹き回し?」
「いや…?おとなしくしてれば、こんな可愛いんだなぁって。」
「…ばっか。心兄と豊ちゃんの子なんだから可愛くないわけないでしょ。冗談もいい加減にしてよね?」
私がそう言ってからかうと、秀は、怪訝な顔をして、睨んできた。
私は、少し《ムスッ》として何よ、と切り返した。
「お前バカぢゃね?豊の子だから可愛くねーんだって。心兄だけの血を引いてたら相当いい子になってたのに。」
「確かに心兄は、格好いいけど、豊ちゃんも十分可愛いしいい人だよ?!」
私が向きになって怒ると秀がバカにするように笑った。
「何?文句あんのっ?!」
「いや、お前相当なブラコンなんだなって思った。」
「バーカ!当たり前だから!」
そんな会話をしていると、玄関の戸が開く音がした。