S.U.K.I





「…………………あ、起きた?」



遠くから声がして、ふと気が付くと周りがもう明るくなりかけていた。


朝の独特な空気を震わせて聞こえてきたのは秀の声だった。



「あ……れ…?今…何時?」



私がしょぼしょぼする目で問いかけると、秀は、掛け時計を見ながら呟くように言った。



「朝の5時ちょっと過ぎ。お前、疲れてたんだよ。穹が帰ってきたあと、ばったり寝てたし。」



つけたてのストーブがうんうんうなるけど、冷えきった部屋は一向に暖まらない。


そんなだから、私を気遣ってか、秀は暖かな毛布を被せてくれた。



「いーよ、別に。寒いの慣れてるし……それに、秀寒いでしょ?」


「俺別にいーし、ほら麗さんが言ってたろ?女の子は体冷やすなって。」



いつもは、しないような行動と態度なもんだから私はびっくりして目を丸くした。



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