S.U.K.I
「ごめん……煌―」
優がそう言うが早いか、耳を裂くような音が強くなり、音が消えると同時くらいに白い服の人たちが私たちを引き離した。
「―大好…きだよ……。」
私も誰かに支えられ、優が担架に乗せられたときそう、聞いた気がした。
「……うん。」
私は、無意識に笑ってそう答えていた。
気付くと、横に千歳と大河を抱いた心兄がいて、私の手を優しく握りながら、笑った。
そこからの記憶ははっきりしたものだった。
救急車で運ばれて診察室に入り、とりあえず無数にできた広範囲の傷に軽い消毒なんかをされて頭に包帯を巻き、レントゲンをとり、異常なしの判断が下った。
そのあと、看護婦さんと心兄に、ある病室の前に連れていかれた。
そこには、家族の大半が揃っていてみんなしんみりとした雰囲気で椅子に座っていた。