S.U.K.I
「あぁ、そうだったかね?いってらっしゃい。外はひどい荒れだからねぇ。」
柔らかな笑みを浮かべる婆ちゃんに私も笑いかけた。
すべすべとした桜色の頬に深く入れ込まれた皺。
婆ちゃんの苦労を思わせる人生の証にも見えた。
「ごめん、煌!学校行こう早く!」
淘が勢い良く階段を駆け下り、長靴を履きながら言った。
私は、玄関を飛び出しながら淘に言う。
「早くったって、あんたが遅かったせいなんだけど。分かってる?淘。」
「あぁん、もぅ!分かったってば!満腹屋の絶品コロッケ、でしょ?」
淘は、渋りながら私に苦笑いを見せた。