S.U.K.I



こんな何の繋がりもない赤の他人に、人の死が近いことを伝えるだけで、


罵られ、


怒鳴られ、


問い詰められ、


迷惑以外のなんでもない。


それでも、納得してもらうために一生懸命伝えてくれてるんだ。


私たちのような、関係者に。



「まだ……」



いやに冷静にそんな葛藤を繰り返していると、看護婦さんが重たい口を開いた。



「…まだ、助からないとは言い切っていません。」


「…じゃあ、優と秀が助かるんですか?!」



幸さんが食い付くように看護婦さんに切り返した。


しかし、看護婦さんは、縦に首を振ろうとしない。



< 73 / 316 >

この作品をシェア

pagetop