S.U.K.I
「分かってんぢゃん。」
私は、白い息を吐きだしながら学校までの長い距離を走る。
白い綿雪の降る中を、淘と一緒に。
「伊佐木〜!!あと10秒で遅刻だかんなー!」
「待って!徳永先生〜!」
私は、門を閉めようとする徳永に声を張り上げた。
「まぢ勘弁して…。」
淘は、息も切れ切れにそれだけつぶやいてスピードを上げた。
私も負けじとダッシュして3秒前に中に駆け込んだ。
「今日はちゃんとセーフ、だな。」
「うっさいな、秀!」
ぐったりと下駄箱に寄りかかりながら目の前に立つ男を睨む。