お兄ちゃんの罠に嵌まりまして。
欠席をしてたヤヨ。

担任は、3日間何も言わなかった。

そして知らされたのは、ヤヨが自殺を図ったと言う事だった。

葬儀も密葬で、私どころか、クラスメイトの出席も許されなかった。

ヤヨの父親が、薄々と私との事も原因だと勘付いて居たようだ。

だけど、担任に呼び出されても、私が悪いとしか言えなかった。

私が、ヤヨを死に追い詰めたんだと。

せめてもの償いとし、ヤヨの父親に宛てた手紙はたった一言。

“ごめんなさい”――…。

許しなんていらない。

ただ、なかった事にはしないけど、自分を守りたかった。

誰にも言わない。

ヤヨみたいに、明るくなんてならない。

素直になんて、生きない。

それだけは、許して下さい。



――『みゅーちゃん!!』――



私は大人なんかじゃない。

大人ぶった、ただのませガキ。

単なる面倒くさがり。

…ヤヨ、ごめん……。

ヤヨはたくさんの事を教えてくれたのに、私はヤヨの人生を奪ってしまったね……。

人を喪うという事が、人の命がどれほど尊いものか、ヤヨの死から学ぶなんて。

私は何をしてたのか。

何を学んで生きて来たのか。

どれだけ愚か何だろう。

ヤヨ、今更ながらあれは事故だったんだよ。

人殺しはこの私。

悪いのは私。

ヤヨのお母さんも、怒ってないでしょ?

次の人生は、どうか私なんかと出会わないで。

どうか、幸せな人生を選んでね――…。






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