お兄ちゃんの罠に嵌まりまして。
いつも通りに過ごし、お兄ちゃんの帰宅を待つ。
お味噌汁が出来た。
今夜のメインは鮭のホイル焼き。
作り置きしといたひじきを出して、今日は和食で纏めた。
なのに、18時になり。
19時を過ぎても帰って来ない。
鳴らないスマホ。
今まで帰りが遅かろうと、無断はない。
私から連絡を取ろうとした事もない。
「……もしもし、慎君?」
待てど暮らせどで、虚しく過ぎた時間。
日付が変わる頃、眠る事も出来ずに慎君に電話。
『帰ってない?』
「うん……。今までこんな事なかったし、けど大人だから、ヘタに連絡は止そうと思ってるけど、寝れなくて……」
『風花のところか、俺から連絡するか?』
「慎君は、来てくれないの……?」
『…………』
…何て……。
何、言ってるんだろ……。
何も聞こえない通話口。
困らせてる。
「ごめん、慎く――…」
『“ピピッ……”。今から行く』
聞こえた電子音は、車の解錠する音か。
慎君、来てくれるの……?
“今から行く”と言って切れた電話。
スマホを胸に抱きながら、ソファーの上で蹲る。
お兄ちゃんが心配なのは確かだけど、慎君が来てくれるなら、安心して寝れそう。
玄関の鍵は、お兄ちゃんが酔っ払って帰って来ても良いように開けてある。
エントランスの暗証番号は知ってる。
後、少しで来てくれる。
もう、不安はない――……。
お味噌汁が出来た。
今夜のメインは鮭のホイル焼き。
作り置きしといたひじきを出して、今日は和食で纏めた。
なのに、18時になり。
19時を過ぎても帰って来ない。
鳴らないスマホ。
今まで帰りが遅かろうと、無断はない。
私から連絡を取ろうとした事もない。
「……もしもし、慎君?」
待てど暮らせどで、虚しく過ぎた時間。
日付が変わる頃、眠る事も出来ずに慎君に電話。
『帰ってない?』
「うん……。今までこんな事なかったし、けど大人だから、ヘタに連絡は止そうと思ってるけど、寝れなくて……」
『風花のところか、俺から連絡するか?』
「慎君は、来てくれないの……?」
『…………』
…何て……。
何、言ってるんだろ……。
何も聞こえない通話口。
困らせてる。
「ごめん、慎く――…」
『“ピピッ……”。今から行く』
聞こえた電子音は、車の解錠する音か。
慎君、来てくれるの……?
“今から行く”と言って切れた電話。
スマホを胸に抱きながら、ソファーの上で蹲る。
お兄ちゃんが心配なのは確かだけど、慎君が来てくれるなら、安心して寝れそう。
玄関の鍵は、お兄ちゃんが酔っ払って帰って来ても良いように開けてある。
エントランスの暗証番号は知ってる。
後、少しで来てくれる。
もう、不安はない――……。