知らない奴がストーカしてくるんですが
曲がり角は運命の出会いと言うけれど
ジリリリリリ…ジリリリリリ…ジリ…「ガシャ」
「うわあ…うへぇ…朝か…って女子は朝一は『おっはよ~*』で決めなきゃっ!」
私、奈々井 桃(ナナイモモ)!今ドキが大好きな至ってフツーのJK(∂ω<*)
趣味はお洒落♪ちょっと頭悪いけどみんなの人気者のモモなのだっ!
……って言うのは皆の前だけ。本当はBLが大好きでアニメ大好きなキモオタ腐女子なのだけれど…
「桃ー?朝ご飯できたわよ~?」
腐女子って、気持ち悪いもんなぁ。
「今行く!」
「よしっ…」
私の日課は毎朝パンをくわえて『遅刻遅刻~!(遅刻じゃないのに)』なんて言いながら角をダッシュで曲がる事。
正直、乙女チックな事は考えてない。が、彼氏いないと怪しまれる!=腐女子だってバレやすくなるっ!
「いやだぁぁぁ!それだけはぁぁぁ!」
ガンッ!!!
「す、すいませ…」
うわ…すっごいイケメ…
「いえいえ僕のフィギュアを守れたので大丈夫ですよ」
ンじゃなかったぁぁぁ!何この人!デブ!キモい!『恋シヨ!KISSで!』の桜山 冬花ちゃんのイラストがプリントされているTシャツ……!しかも手に持っているフィギュアは…
「『名字にツインテってまじあり得ないんだけれども』の柘陰手 エルちゃんじゃん!!しかも2/29に500個しか販売されていなかったスク水(下ツインテ)じゃない!!」
「…………」
「…………」
「………はっ!」
「あ、あ、ごめんなさいっ!」
「ちょ、君名前…
この時、私は何を考えていたのか相手の話を聞かずにしかも彼のフィギュアを鞄に入れたままだったのだ…