さかさまさか
卒業
卒業式は、何もなかったように来た。
ケンジは、クラスの友達とお別れ会をやるからと言う事で、一人ぼっちで帰った。

なぜか思い出の土手に来た。
あいつに逢える気がした。

ポロポロ落ちてくるのは、涙と切なさだった。

『やっぱりいた。』
『ケンジ。』
『がっかりした顔。』
『ラーちゃん。卒業おめでとう。』
『ケンジ。ありがとね。』
『明日からは、社会人』
『遊んぶぞー。』
『うん。ケンジ大学おめでとうございます。』
『はい。』
『いいの。クラスのお別れ会。6時半からだから。』
『行きなよ。』
『うん。』
『また、メールするね』
『うん。行くわ。』


ずっと待ったけど、春田は来なかった。
『来る訳ないか。』と呟いて家路についた。
< 12 / 27 >

この作品をシェア

pagetop