さかさまさか
ベルトコンベアー。
また、日常が来たよ。
『お疲れ様。』
『艶子さん。』
『あんた、週末一発やった?』
『ない。ない。』
『なんか。いい感じよ』
『はぁー。』
『恋する女は、なんとか~。』
『はぁ。』
事の顛末を、ぼかし、ぼかし、話した。
『はぁ~。好きになった人~。って事だね』
『はぁ~。』
『あんたさ、結果はともかくその恋心が成仏出来ない限り前に進めないよ。』
『そっか。』

流しに流され、毎日
このコンベアーの様に右から左。
判で押した様な毎日。

林君がこっちを見てる。
『山田』
『はい。』
『日光室来て。』
『はい』
日光室を開けると、緑のバナナの林の中に林がいた。

『何か?』
『お前、この頃昼間どこいってんの。』
『なんで、そういう関係じゃないでしょ。』
『まぁ。』
『私の勝手だし。』
『別れるわ。』
『私と。』
『嫁』
『子供可哀想だよ。』
『うん。』
『私とも、終わりにしよう。』
『最後に今日一発。』
『無理』
『好きな奴でも出来た?』
『私は日の当たる場所やっと堂々と歩きたくなっただけ』
と笑った。
『なんかわかんないけど、頑張れよ。』
『これまで通り、洗剤と醤油貸してあげるから』
『おぅ』

さみしい、さみしいをくっつけただけの関係はいつまでたっても、さみしくて、
あっけない終わり方だったけど、最初から、終わりがある事前提の恋。

ただあのコンベアーの様にさみしさを、右から、左に流して。
ビニールで袋詰めして。
塊になって受け取って、止めたいんだけど、さみしいからグルグル回すそんな、日々だった気がする。

終わった。

終わらせた。

ホッとした。
さぁ、後戻りは出来ない。
歩き出そう。
てか、取り戻そう。

日光室のバナナみたいに誰に光照らして、黄色になるの待つじゃなくて。

光、方にいってみよう。



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